
現在好評開催中の「江戸絵画の真髄」展、初公開作品18点を含む70点の江戸絵画の魅力満載の展覧会です。そこで、“見逃せない”作品をピックアップしてシリーズでご紹介して行きたいと思います。
鈴木其一(1796-1858)
《風神雷神図襖》
江戸時代後期
絹本着色・襖(八面)
168.0×115.5cm(各)
※展示期間:全期(4月8日〜6月29日)
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一という琳派の巨匠たちによって手がけられてきた重要画題である「風神雷神図」を、抱一の高弟其一が再構成した作品です。三人の巨匠が二曲の金地屏風(きんじびょうぶ)に二神を収めたのに対し、其一は絹本の襖四面に各々を描きました。この襖絵は元々四面が表裏になるよう仕立てられていました。白と緑の軽やかな色彩を得た風神・雷神は、墨の滲(にじ)みを使った柔らかな雲を従えて、与えられた広々とした空間を我が物顔で支配しています。
(東京富士美術館 学芸員 宮川謙一)
☆トピック
この春は奇しくも宗達、光琳、抱一、其一の「風神雷神」が東京に大集合!
以下の展示で各々が描いた「風神雷神図」をご覧いただけます。
本展と合わせて、どうぞお楽しみください。(会期・休館日など各展覧会の情報については各美術館のウェブサイトをご確認ください。)
開山・栄西禅師800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」
東京国立博物館・平成館 特別展示室
2014年3月25日(火)~2014年5月18日(日)
俵屋宗達《風神雷神図屏風》を展示
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1632
東京国立博物館では本館7室にて特別展「栄西と建仁寺」に関連する絵画作品として
2014年4月8日(火)~2014年5月18日(日)の期間、尾形光琳《風神雷神図屏風》を展示
http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=3947
日本の美・発見Ⅸ 日本絵画の魅惑
出光美術館(東京・丸の内)
前期:2014年4月5日(土)~5月6日(火祝)
後期:2014年5月9日(金)~6月8日(日)
酒井抱一《風神雷神図屏風》を展示(前期のみ)
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html