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「中国陶磁名品展」出品作品紹介(5)

現在好評開催中の「中国陶磁名品展」、ユニークな器形、豊かな色彩、技量の見事さ等々、懐の深い中国陶磁の魅力に、1点1点時間をかけて丹念に鑑賞されているお客様が多くいらっしゃいます。そこで、特色のある“見逃せない”作品をピックアップしてシリーズでご紹介して行きたいと思います。

本日はここで見逃したらしばらく後悔間違いなし!? “別格の折り紙付き、濃密な青と巧みな筆で魚と水草が描かれた酒壺”です。

出品番号84
景徳鎮窯《青花魚藻文酒会壺(せいかぎょそうもんしゅかいこ)》
元(14世紀)
高29.6cm、口径21.5cm、胴径34.8cm、底径19.5cm

胴部が大きく張り、頸部が短く直立する酒会壺(しゅかいこ)。口縁には銅の覆輪(ふくりん)がかけられている。本来は蓋を伴う。白磁にコバルトを呈色剤(ていしょくざい)とする顔料で文様を施文(せもん)する青花は、元時代後期の景徳鎮窯で始まる。本作品はこのタイプの壺の典型的な文様配置で、口頸部に波濤文(はとうもん)、肩部に牡丹唐草文(ぼたんからくさもん)、胴部に魚藻文(ぎょそうもん)、四方襷文(よもだすきもん)を挟んで裾部にラマ式蓮弁文が描かれている。イギリスの陶磁研究者、ハリー・ガーナー卿の旧蔵品。

兵庫陶芸美術館 学芸課長 長谷川眞/「中国陶磁名品展」カタログ(編集:兵庫陶芸美術館、2012年発行)所収

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