
現在好評開催中の「中国陶磁名品展」、ユニークな器形、豊かな色彩、技量の見事さ等々、懐の深い中国陶磁の魅力に、1点1点時間をかけて丹念に鑑賞されているお客様が多くいらっしゃいます。そこで、特色のある“見逃せない”作品をピックアップしてシリーズでご紹介して行きたいと思います。
本日はインパクト勝負!? “眼ヂカラピカイチ、力士のろうそく立て”です。
出品番号112
景徳鎮窯《五彩力士形燭台(ごさいりきしがたしょくだい)》
明・万暦年間(1573ー1620)
高22.5cm、幅12.4cm、奥行8.0cm
力士をかたどった燭台。ロウソク立ての付いた盤を頭部に捧げ持ち、盤のなかに赤・黒・緑に彩色された食物とおぼしきものが置かれている。力士の体は肌色に彩色され、目・眉毛・髭などは青花で描かれている。衣服は赤・黄・緑で彩色され、上着の雲文など赤地に描かれた文様は白く残され、黄地には緑彩で文様が描かれている。長方形の台座の裏面には、6字横1行の青花銘。
兵庫陶芸美術館 学芸課長 長谷川眞/「中国陶磁名品展」カタログ(編集:兵庫陶芸美術館、2012年発行)所収