JP
やさしい日本語
ON

FAM NEWSFAMニュース

「中国陶磁名品展」出品作品紹介(1)

現在好評開催中の「中国陶磁名品展」、ユニークな器形、豊かな色彩、技量の見事さ等々、懐の深い中国陶磁の魅力に、1点1点時間をかけて丹念に鑑賞されているお客様が多くいらっしゃいます。そこで、特色のある“見逃せない”作品をピックアップしてシリーズでご紹介して行きたいと思います。

出品番号32
《緑釉兎形枕(りょくゆううさぎがたちん)》
唐(8世紀)
高7.0cm、幅13.4cm、奥行7.8cm

陶枕(とうちん)は唐三彩(とうさんさい)に多くみられる。箱型がその主な形で、このような台座が兎の形をした作品は少ない。長辺が13.4㎝と比較的小さな作品であり、いわゆる寝具の枕ではなく、器台のようなものとも考えられる。緑釉が総掛けされており、鮮やかな濃い発色をみせている。頂板は楕円形で中程は少しくぼんでいる。河南省鞏義窯(きょうぎよう)、もしくは陝西省耀州窯(ようしゅうよう)の唐時代後期の作と思われる。

兵庫陶芸美術館 副館長 弓場紀知/「中国陶磁名品展」カタログ(編集:兵庫陶芸美術館、2012年発行)所収

CURRENT
EXHIBITIONS現在開催中の展覧会