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2013.11.02

奈良県立万葉文化館に《洛中洛外図屏風》出品中!

上野の東京国立博物館で特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」が開催中です。国宝・重文に指定されている展示の7件の洛中洛外図屏風は、いにしえの京の四季景観や都の賑わいがいきいきと描写されており圧巻です。一方、錦秋の奈良・飛鳥の奈良県立万葉文化館でも当館所蔵の洛中洛外図屏風が公開中です。(11月24日まで)

洛中洛外図は、室町時代後期に成立し、江戸時代まで続いて制作された風俗画の一種。京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の名所や旧跡、四季折々の行事などを一望のもとに六曲屏風一双の画面に描いています。

本図では、左隻の中央に大きく二条城が描かれ、右隻には豊臣秀吉が桃山時代に創建した方広寺大仏殿の威容が配されています。金雲たなびく眼下に京都の町の繁栄の様子が活写され、町の賑わいが伝わってくるようなみずみずしい作品です。

特筆すべきは、右隻右から三扇目に遊女たちの姿が描かれていることです。肉筆浮世絵にも通じ、興味深いものがあります。作風から江戸も早い時期、狩野派の画家によって描かれた作品と考えられています。私たちを400年前へといざなう洛中洛外図屏風を是非ご堪能下さい。

《洛中洛外図屏風》右隻全体図と部分(下左:遊女たち、下右:方広寺大仏殿)
狩野派 江戸時代前期 154.4×353.2cm(各)
紙本金地着色 六曲一双屏風

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