TFAM NEWS
「旅路の風景展」作品紹介(3)
川瀬巴水《大森海岸(「東京二十景」より)》1930年(昭和5年)木版多色刷
現在開催中の「旅路の風景展」に出品されている作品をご紹介させていただきます。
巴水は、1924年(大正13年)から1930年(昭和5年)にかけて、関東大震災から復興を遂げる東京の風景を、20図の連作として描きました。この「東京二十景」シリーズからは、巴水の代表作となる《芝増上寺》や《馬込の月》が生まれています。
大森海岸は江戸時代から昭和初期にかけて、海苔養殖で質・量ともに日本一の生産量を誇り、ここで生産された海苔は、将軍家に献上される最上級品として、「御膳海苔」とも呼ばれていました。海苔の養殖は大森で始まり、その後、江戸時代後期に有明海や瀬戸内海に広がっていきました。大森の海苔養殖は、昭和30年代からの港湾開発によって終わりを迎えますが、現在でも多くの海苔問屋や加工業者が残り、海苔の街としての姿を留めています。
本作には、当時の大森の海苔養殖を物語るように、護岸には、海苔養殖に使用する海苔篊(のりひび)(海苔を付着させるための竹や木の枝)が積み上げられ、岸辺にはベカ船と呼ばれる海苔採取用の小舟が繋留されています。この絵はもともと霧雨が降る夕方の情景を想定して制作されましたが、その後、雨の効果を試行錯誤する中で、最終的に霧雨は採用されませんでした。ここでは雨は降っていませんが、その名残として、桟橋には傘をさす人物が残されて、この絵のアクセントとなっています。透明な藍色を幾度も摺り重ねることで、宵の浜辺の清澄な空気感が見事に表現されています。
三井住友銀行頭取が来館
4月19日(火)、株式会社三井住友銀行髙島誠頭取CEOらが来館されました。
五木田聡館長、金子朗常務理事らが出迎え、「旅路の風景展」、常設展示「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」、「ユージン・スミス展」を鑑賞されました。
※写真左から2番目が髙島頭取
「SDGs × 時の蘇生・柿の木プロジェクト」
東京富士美術館は、SDGs(持続可能な開発目標)を推進する中、「時の蘇生・柿の木プロジェクト」に共鳴し、「被爆柿の木2世」を美術館敷地内に植樹することになりました。
1945年8月9日、長崎で被爆したものの奇跡的に生き残った一本の柿の木の種から樹木医の海老沼正幸氏が「被爆柿の木2世」の苗木を育て、長崎を訪れる子どもたちに配る活動をしていました。
この活動を知った現代アーティストの宮島達男氏が発起人となり、1996年より「時の蘇生・柿の木プロジェクト」として、柿の木をテーマにしたアート表現をとおして平和の心を育てるアートプロジェクトを世界中に広げております。
これまでに世界26ヶ国、312ヶ所以上の学校や美術館等の公共施設に植樹され、のべ3万人の子どもたちに平和の種を蒔いています。
5月14日(土)には、「被爆柿の木2世」の植樹式を開催いたします。また、当日までに関連イベントを開催予定です。
「アート×平和」の発信基地として、皆さまとともに創り上げる、永続的なプロジェクトとして参ります。
皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。
※詳細は後日当館HPにて掲載いたします。
静岡県知事が来館
4月13日(水)、川勝平太静岡県知事が来館されました。
五木田聡館長らが出迎え、「旅路の風景展」、常設展示「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」、「ユージン・スミス展」を鑑賞されました。
※写真左が川勝県知事
「旅路の風景展」作品紹介(2)
歌川広重《東海道五拾三次之内 丸子 名物茶店》天保4-5年(1833-34)木版多色刷 横大判錦絵
現在開催中の「旅路の風景展」に出品されている作品をご紹介させていただきます。
松尾芭蕉が「梅若菜 丸子の宿の とろろ汁」と詠った丸子宿の情景です。横田山を背景に、峠の茶店でのひとときが、和やかな雰囲気で描き出されています。店先には「名ぶつ とろろ汁」と大きく書かれた看板が立てかけられ、床机に腰掛けた旅人が大きな口を開けて、その名物のとろろ汁を美味そうに食べています。軒先には「お茶漬け」「酒さかな」の看板も掲げられています。また、お店のなかをよく見ると、巻き藁に刺さった魚や吊るされた干し柿も。旅で歩き疲れた旅人たちにとって、身体を休め胃袋を満たしてくれる茶屋は欠かせないものでした。
ちなみにこのお店は「丁子屋」という創業400年を越える老舗で、現在も「とろろ汁」を出すお店として同じ場所で営業を続けています。
「旅路の風景展」作品紹介(1)
葛飾北斎 《冨嶽三十六景 甲州三嶌越》 天保元年−天保3年(1830-32)頃 木版多色刷 横大判錦絵
現在開催中の「旅路の風景展」に出品されている作品をご紹介させていただきます。
北斎は『冨嶽三十六景』において、富士山というひとつの対象を様々な場所、季節、気候条件で連作することによって、その諸相を自由自在に描き出しました。鎌倉往還、山梨と静岡の国境にある籠坂峠からの眺望を描く『甲州三嶌越』、街道脇にそびえ立つ巨木に、道をゆく旅人たちもその足をとめています。巨木を前にすると、思わず手を広げてその大きさを確認したくなるのは今も昔も変わりません。
主役の富士山はその背後で雲をたなびかせて泰然自若としています。まるで道端に腰を下ろした地元の古老が、煙草をくゆらせながら旅人たちの仕草を微笑ましく眺めているかのようではないでしょうか。北斎の描く富士は、人々の暮らしに寄り添いながら、ときに温かく、ときに厳しく見守ってくれているのです。
日中友好会館中国代表理事が来館
4月5日(火)、公益財団法人日中友好会館 黄 星原 中国代表理事ご夫妻、張 毅 留学生事業部部長ご夫妻、関 立彤 総合交流部長、楊 建興 文化事業部長が来館されました。
忍田和彦理事長、五木田聡館長、金子朗常務理事らが出迎え、「旅路の風景展」を鑑賞されました。
※前列右から2番目が黄 中国代表理事
小中学校団体鑑賞レポート/八王子市立由井第一小学校
3月4日(金)午後、八王子市立由井第一小学校4年生の皆さんが来館されました。
常設展示「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」では、小グループに分かれて、当館学芸員および大学生・大学院生のインターンシップによるギャラリートークを行い、対話をしながら作品のひみつに迫ったり、制作にまつわるエピソードなどを学びました。
企画展「上村松園・松篁・淳之 三代展」では、美人画や花鳥画をじっくりと鑑賞し、お気に入りの作品を見つけました。
小中学校団体鑑賞レポート/八王子市立館小中学校
3月4日(金)午前、八王子市立館小中学校中学部3年生の皆さんが来館されました。
常設展示「西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで」では、インターンシップの大学生、大学院生によるギャラリートークに参加し、アンブロワーズ・デュボワ作《フローラ》とオーギュスト・ロダン作《青銅時代》を鑑賞しました。生徒と対話しながら、楽しく作品や作家の実像に迫りました。
後日、生徒の皆さんよりたくさんの感想が届きましたので一部を紹介いたします。
「今まで美術館に行く機会がなかったので、行くことができてとても楽しかった」「画像で見るのと実際に見るのとでは、全く違うことがわかりました」「新たな発見や鑑賞する時のコツを知ることができ、もっと絵が好きになれました」「このような機会をいただき、リフレッシュでき、美術館にとても興味がわきました。」
卒業前の良い思い出となったようです。












開館情報
■開館時間:
10:00~17:00
(16:30受付終了)
■所在地:
〒192-0016
東京都八王子市谷野町492-1
■電話番号:
042-691-4511
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東京富士美術館
住所:〒192-0016
東京都八王子市谷野町492-1
TEL:042-691-4511
開館時間:10:00~17:00
(16:30受付終了)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は
開館。翌火曜日は振替休館)
JR八王子駅 北口
始発から12:29発までは西東京バス14番のりばより
・創価大正門東京富士美術館行き
・創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車
12:31発以降は、(ひよどり山トンネル経由)西東京バス12番のりばより
・創価大正門東京富士美術館行き
・創価大学循環
(八日町経由)西東京バス11番のりばより)
・創価大学循環
いずれも「創価大正門東京富士美術館」で下車
京王八王子駅
西東京バス4番のりばより
・創価大正門東京富士美術館行き
・創価大学循環
「創価大正門東京富士美術館」で下車
JR拝島駅 ※1時間1本程度運行
*詳細についてはアクセスをご覧ください。
JR秋川駅 ※1時間1本程度運行
*詳細についてはアクセスをご覧ください。