Epochal Women Photographers of the 20th Century
開催期間 2019年10月5日(土)~2020年1月19日(日)
主催:東京富士美術館
19世紀半ば、写真技術が急速に発達すると、対象物を忠実に写し取るこの不思議な装置に人々は驚嘆し、多くの上層階級が虜になりました。その一人、イギリスの高級官吏の妻であったジュリア・マーガレット・キャメロンは、48歳の時に娘からプレゼントされたカメラをきっかけに写真技術を身につけ、歴史家トマス・カーライルや自然科学者チャールズ・ダーウィンら交流のあった著名人たちを撮影します。単に記録技術としての写真から脱却し、綿密な場面構成とソフト・フォーカスによる幻想的かつ絵画的な表現に成功し、芸術作品としての写真の開拓に貢献しました。 続く戦間期の女性写真家として最も高い評価を得たのは、雑誌『LIFE』創刊号の表紙を飾った報道写真家マーガレット・バーク=ホワイトと、多くの著名人を撮影し、同時代の前衛芸術と共鳴した実験的でモダンな表現を創出したロッテ・ジャコビです。彼女たちは知的好奇心が高く、才能と環境に恵まれ、男性とも実にうまくやり遂げる社交性がありました。しかし、それだけではありません。性別による不利益をはじめ様々な逆境に負けず、状況や境遇を時に楽観的に俯瞰する視点をも身につけていたのです。例えば、ドキュメント写真の発展に大きな影響を与えたドロシア・ラングは、7歳の時にポリオを発症させ右脚の機能を失っていますが「(右脚麻痺の障害)それこそが自分の個性として重要」と捉え、2人の息子を育てながら精力的に、貧困や労働格差などの社会問題を追い続けました。 本展では、当館の約2万点の写真コレクションの中から約90点の写真、貴重書、資料等で時代を拓いた女性フォトグラファーに焦点をあてて構成しています。また、彼女たちと親交があった関連作家もあわせて紹介しています。 現代に続く、写真表現の裾野を広げたそれらの作品群とともに、困難に打ち克ち時代を拓いた彼女たちの情熱と使命感、そしてその生き方や魅力に迫ります。
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