100 years after the end of World War Ⅰ- Paris through the eyes of Foujita: From TFAM’s Permanent Photography Collection
開催期間 2019年1月5日(土)~2019年3月24日(日)
主催:東京富士美術館
藤田嗣治(Léonard Tsuguharu Foujita, 1886-1968)が初めてパリの空気を吸ったのは、1913年、第一次世界大戦の始まる1年前のことでした。1910年頃から、観光地化したモンマルトルを離れ、モンパルナスを中心に集まってきた多くの外国人芸術家たちと同じように、藤田もモンパルナスに居を構え落ち着きます。 そこで出会った最初の隣人で画家のアメデオ・モディリアーニとはのちに親友と認め合う仲になり、彫刻家のオシップ・ザッキンとは藤田が結婚の証人になるほどの信頼関係を築きます。こうして藤田は世界中から集った多くの芸術家たちとパリを舞台に交友関係を広げていきます。 同時に、パリに渡ってすぐに訪れたパブロ・ピカソのアトリエで目にしたアンリ・ルソーの作品に衝撃を受けた藤田は、早々に新たな表現を求めてパリ画壇での生き方を模索し始めます。 1914年、第一次世界大戦が始まると日本からの仕送りが途絶え、藤田は終戦まで貧窮した生活を強いられます。しかし1918年以降は戦後の好景気でパトロンが増え、藤田はやがてエコール・ド・パリの中核を担う芸術家として、ピカソやマティスらとともにその名がフランス中に知れ渡るまでになりました。 画題は女性、猫、子どものみならず、パリの数々の景観も描き、オペラ座やパレ・ロワイヤル、シャンゼリゼ通りなど特にセーヌ右岸の名所を独特の繊細な描写で描き残しています。 本展では当館の写真コレクションより、世紀末から20世紀初頭の光の都パリを撮影したハリー・エリス(1898-1927)をはじめ、藤田の一連の肖像写真を撮影したアンドレ・ケルテス(1894-1985)、エコール・ド・パリの芸術家と交流があったロバート・キャパ(1913-1954)などが撮影した20世紀前半のパリを中心とした作品を紹介します。 藤田が目にしたパリの景観や交友関係をもった芸術家の肖像写真など、芸術家たちが生きた戦中戦後のパリの雰囲気を少しでも感じ取っていただければ幸いです。 開催中の「藤田嗣治 本のしごと その美しき本と愛しい挿絵たち」展とあわせてお楽しみください。 図版:ハリー・エリス《夕暮れのオペラ広場》パリ 1910年頃 Harry C. Ellis, Place de l'opera in the evening, Paris, c.1910
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