SUMMARY作品解説
花弁の描写を略し、花の輪郭だけを捉えた世に言う「光琳梅」と呼ばれる意匠化された梅の花と、たらし込みの技法を駆使した幹の表現は、琳派を継承した抱一の確かな技量を感じさせる。上部には「梅の花 八千代の春に 匂うとも 赤く色香の なとこもるらん」との歌が添えられている。この歌の作者は京都出身の国学者であり歌人の富士谷御杖で、おそらく抱一と何らかの交友をもっていたと考えられる。
ARTIST作家解説
酒井抱一
Sakai Hoitsu1761-1828
姫路藩の酒井家に生まれる。画は狩野派に手ほどきを受け、20代で歌川豊春の画風を学ぶ。30代の頃から琳派に傾倒し、たらし込みを駆使した草花図などを手がける。37歳で出家。文化12年(1855)、尾形光琳100年忌に際し「光琳遺墨展」の開催、『光琳百図』発刊に従事する。61歳の時、光琳筆《風神雷神図屏風》の裏絵として代表作《夏秋草図屏風》を制作。江戸の地で抒情性と瀟洒な感覚を備えた新しい琳派の流れを作った。
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INFORMATION作品情報

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