江戸時代後期(19世紀)/木製漆塗
台:高9.2cm、口径7.0cm、つば径15.4cm、底径8.4cm、蓋:高3.0cm、径11.2cm
SUMMARY作品解説
天璋院篤姫の婚礼調度の一部で、陶磁器製の茶碗をのせる台、および蓋である。篤姫の婚礼調度品はこれまで国内外で4件しか確認されていない希少なもので、東京富士美術館のほかアメリカのスミソニアン協会、徳川記念財団、大阪青山大学短期大学が所蔵する。薩摩に生まれた篤姫は、安政3年(1856)に右大臣近衛忠煕の養女となり、その年の11月に第13代将軍徳川家定の正室となった。近衛家の抱き牡丹紋、徳川家の三葉葵紋を配し、二葉葵唐草の意匠が施されている。
ARTIST作家解説
天璋院篤姫の婚礼調度
Marriage Furniture for Tenshoin Atsuhime
幕末の江戸開城の際の退去に伴う影響もあったためか篤姫の婚礼調度は現存数が極めて少ない。これまでに知られている作品は、《黒塗二葉葵唐草葵牡丹紋散蒔絵女乗物》(アメリカのスミソニアン協会 アーサー M. サックラーギャラリー蔵)、《阿古陀香炉(村梨子地葵牡丹紋散二葉唐草蒔絵)》(徳川記念財団蔵)、《梨子地葵牡丹紋散二葉葵唐草文様蒔絵十種香道具》(大阪青山大学・短期大学蔵)、《葵紋牡丹紋二葉葵唐草蒔絵茶碗台 同蓋》(東京富士美術館蔵)の4件。いずれも二葉葵唐草の意匠が施され、国立公文書館所蔵の資料『篤姫御方御待請並御婚礼御用留(あつひめおんかたおまちうけならびにごこんれいごようどめ)』にはこの二葉葵唐草の彩色図が記されており、現存する蒔絵と一致していることから、天璋院篤姫の婚礼調度であることの特定の根拠となっている。
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