弘化4-嘉永5年(1847-52)頃/木版多色刷 大判錦絵三枚続
江戸から近代へ─東京富士美術館浮世絵所蔵展
会期:2025年03月29日 (SAT)~2025年05月25日 (SUN)
創価美術館(台湾、高雄)
SUMMARY作品解説
『平家物語』に登場する「宇治川の戦い」の一場面。平安時代末期の寿永3年(1184)1月、木曽義仲と源頼朝が派遣した源範頼・源義経との間で行われた合戦の様子が描かれる。 雪解け水で増水して激流が渦巻く宇治川を前に、先陣争いをする2騎の武者、佐々木四郎高綱(ささきしろうたかつな)と梶原源太景季(かじわらげんたかげすえ)。頼朝より賜った名馬「生唼(池月)いけづき」を駆る高綱は何としても先陣を切りたい。そこで先を行く景季に馬の腹帯が緩んでいると声をかける。慌てて帯を締め直す景季。その横を追い越し、川に飛び込む高綱。当代一の名馬「生唼(池月)」(いけづき)は、宇治川の速い流れを、力強く一文字に対岸へと渡りきる。磨墨(するすみ)に乗った景季は、流れに押し流されて遥か下流の岸へ。見事先陣を切った高綱は、大声で名乗りをあげながら敵陣に突撃したのである。 画面中央、連銭葦毛(れんぜんあしげ)の馬にまたがる勇壮な武者姿の人物が佐々木四郎高綱。波しぶきを上げながら勢いよく岸に駆け上がっている。その右側後方には、黒馬とともに必死に川を渡る梶原源太景季の姿がある。
ARTIST作家解説
歌川国芳
Utagawa Kuniyoshi1797-1861
12歳の頃に描いた鍾馗図が初代歌川豊国の目に止まり、程なく豊国門に入る。20代は不遇の時を過ごすが、31歳の頃、《通俗水滸伝豪傑百八人之一個》を版行。これが人気を呼び、「武者絵の国芳」と称された。役者絵、美人画、風景画と何でもこなしたが、中でも3枚続のパノラマな構図の武者絵や歴史画、ウィットに富んだ戯画は大衆の心をつかんだ。親分肌な人柄から落合芳幾、月岡芳年、河鍋暁斎ら多くの優秀な門人を集めた。
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