富士蒔絵印籠 Inro Medicine Case in Maki-e Lacquer with Design of Mt. Fuji
江戸時代中期(18世紀)/木製漆塗
8.1×5.9×2.5cm
SUMMARY作品解説
印籠は元来薬入れを用途とする装身具で、後には薬を入れずに装身具として提げることも多かった。印籠の名称の由来は明らかでなく、室町時代に床飾りであった唐物の印を入れる印籠と薬を入れる薬籠の形状が似ていたためとも伝えられるが定かでない。ともかくも江戸時代の印籠の用途は薬入れであって、印を入れるものはほとんどない。実際に薬がそのまま残されたものや、内側に薬名を墨書したものもしばしばみられ、上等な蒔絵の印籠でも、薬入れとして実用に使われていたことがわかる。 本作は、常形4段の印籠で、黒蝋色塗地に肉合研出蒔絵と螺鈿で富士山・三保松原・清見寺を表す。段内部は金梨子地。蓋裏と各段の裏に薬の名が書かれた貼札がある。
INFORMATION作品情報

出品歴
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