安政4年(1857)/木版多色刷 大判錦絵
36.2×24.4cm
江戸から近代へ─東京富士美術館浮世絵所蔵展
会期:2025年03月29日 (SAT)~2025年05月25日 (SUN)
創価美術館(台湾、高雄)
SUMMARY作品解説
格子の外を見つめる猫の後ろ姿が可愛らしく印象的だが、格子窓のこの部屋は吉原の妓楼の二階であろう。飼い主の遊女は接客中のようで、畳には客が持参したものか、浅草の鷲神社の酉の市土産の熊手型の簪が転がっている。窓の外には浅草の田んぼの向こうに熊手を持って行き交う人々の姿が描かれ、遠く富士山と空高く雁行する雁の群れが見える。空は夕日に赤く染まって、吉原も忙しくなる頃合いである。猫は、縁起物の熊手を買い求める参詣客で賑わう酉の市の喧騒に耳をそばだてているようだ。
ARTIST作家解説
歌川広重
Utagawa Hiroshige1797-1858
13歳の時、家督を継ぐと同時に父母を亡くす。15歳で歌川豊広の門に入り、広重と名乗る。師豊広が没し、天保2年(1831)に《東都名所》、翌3年(1832)に代表作ともなる《東海道五拾三次之内》を版行。風景画家として不動の地位を築く。以後、注文が相次ぎ、渓斎英泉と作品を分け合った《木曾海道六拾九次》など、詩情豊かな名所絵を多く手がけた。最晩年、画技を凝縮した《名所江戸百景》を発表し掉尾を飾った。
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