天明1年(1781)頃/絹本着色 軸装
89.7×31.0cm
SUMMARY作品解説
雪に佇む2匹の兎。一見して、師である円山応挙の《木賊兎図》(天明6年[1786]作)を想起させる。本作は楷書体の署名や白文方印から盧雪の作画の最初期にあたる天明元年頃の作とみられる。この頃の盧雪は応挙の画風に忠実に描くことが多かった。本作に登場する黒と白が混じる兎は、応挙が明和7-安永元年(1771-72)に手がけた《写生図巻・甲巻》にも描きとめられており、盧雪はおそらくこれを参考に制作したのではないかと推察される。
ARTIST作家解説
長澤蘆雪
Nagasawa Rosetsu1754-1799
丹波国篠山(兵庫県篠山市)に生まれる。円山応挙の高弟。本姓は片岡、長澤氏の養子となる。名は政勝。字は氷計。通称を主計。号は蘆雪の他に引裾、于洲漁者など。応挙の温雅な画風とは一線を画し、大胆な構図、斬新な大写しを用い、奇抜で機知に富んだ画風を展開した。自由奔放な性格であったと伝えられ、性格そのままに、師の作風から逸脱した奇抜で明るく快活な画を描いた。蕭白、若冲とともに「奇想の画家」と呼ばれる。
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