武蔵 江戸時代前期(17世紀)/鉄、鍛造
刃長70.6cm、反り1.5cm
SUMMARY作品解説
本作は、鎬造(しのぎづくり)、庵棟(いおりむね)、中鋒(ちゅうきっさき)、身幅(みはば)広め、身幅重ねとも尋常、鍛(きた)え小板目(こいため)肌よく詰み、地沸(じにえ)つき精美。刃文は湾(のた)れに互の目が交じり、刃中(はちゅう)に足入(あしい)り、匂口(においぐち)深く、小沸(こにえ)をつけて明るく冴えた刃文は見事で、興正の出色の出来を示す一刀である。
ARTIST作家解説
長曽祢興正
Nagasone Okimasa
長曽祢興正は、俗称を庄兵衛といい、長曽祢虎徹の門人で、実子とも養子ともいう。父同様、新刀最上作にして最上大業物(さいじょうおおわざもの)の作者として知られ、銘に虎徹と切るものもあり、二代目虎徹と称せられる。父はしばしば東叡山忍岡辺と鍛冶場地を刻銘するが、興正も同様の銘を切っていることから、独立までは父と同居して鍛刀していたことが窺われる。自己の作刀が少ないのは父の代作が多かったからともいわれる。作風は、父興里に似て反(そ)りの浅い姿で地鉄(じがね)は板目肌(いためはだ)が詰(つ)み、刃文は数珠刃(じゅずば)風の互(ぐ)の目乱(めみだ)れ、広直刃(ひろすぐは)などを焼き砂流(すなが)しがかかる。作風が近似することから興里の偽作に転じたものが多いとも言われるが、興正自身も名工ゆえに偽作も多い。
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