安政6年(1859)/木版多色刷 大判錦絵二枚続の右
35.5×24.2cm
SUMMARY作品解説
源義経を描いた「義経千本桜」のうち「川連館」の場面。静御前とともに義経の後を追っていた佐藤忠信。じつは狐が化けた偽物であった。この忠信狐、義経が天皇から賜り、静御前に預けていた「初音の鼓」を慕い、付き従っていたのである。じつはこの鼓は千年の年を経た雌雄の狐の皮を張ったものであり、その狐こそ忠信狐の両親であった。義経がかくまわれていた川連法眼の館を舞台に、佐藤忠信を詮議する義経と静御前。ついに素性をあかす狐。狐が親を思う子の情に感じた義経が、源九郎という自分の名とともに鼓を与えるという伝奇的なドラマが繰り広げられる。本図には、静御前に斬りつけられて姿を現した狐が描かれる。
ARTIST作家解説
歌川国貞
Utagawa Kunisada1786-1864
幼くから画才に恵まれ、10代半ばで初代歌川豊国の門をくぐる。22歳頃、画壇に登場し、美人画・役者絵を手がける。一雄斎、五渡亭、香蝶楼、喜翁など多くの画号を用い、五渡亭時代に《当世三十弐相》など代表作を残す。師豊国が没し、弘化元年(1844)、正式に「二代目豊国」を襲名(現代では三代とする)。「役者絵の豊国(三代)」との世評を確立し、生涯で残した作品数では他の浮世絵師の中でも最大級の数を誇る。
同じ作家の作品一覧
INFORMATION作品情報
EXPLORE作品をもっと楽しむ

全国の美術館・博物館・アーカイブ機関を横断したプラットフォームでコンテンツを検索・閲覧でき、マイギャラリー(オンライン展覧会)の作成などができます。