文政12年(1829)/木版多色刷 大判錦絵
39.1x27.0cm
SUMMARY作品解説
「ひらかな盛衰記」の三段目。漁師権四郎の娘およしに入り婿した船頭の松右衛門は、権四郎の家に代々伝わる逆櫓(船を後退させる技術)という技を習得し、源義経が乗る船の船頭に任じられる。実は松右衛門は、義経に討たれた木曽義仲の四天王の一人樋口次郎兼光で、亡君の仇を討つ覚悟であった。しかし計略は見破られ、櫓を持って大立ち回りの末、捕えられる。ここでは捕手を花道に追い込んだ松右衛門(樋口)が、六法を踏んで松の下に行くところが描写されている。
ARTIST作家解説
春梅斎北英
Shunbaisai HokueiDate of Birth Unknown; Died 1837
文政11年(1828)頃から天保7年(1836)まで活躍した上方の浮世絵師。北洲の門人。人物描写や描線には、師と同じように葛飾北斎の影響が伺える。華やかで濃厚な色彩によって人物や背景を丹念に描き出す力量は、当時から高く評価され、柳斎重春とともにこの時期の役者絵の中心を担っていた。門人に春寿、北寿、北雪、北信、北西、北妙などがいたが、いずれも寡作絵師であった。
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