文政9年(1826)/木版多色刷 大判錦絵二枚続の左
38.7×27.0cm
SUMMARY作品解説
「伊賀越道中双六」の沼津の場面。呉服屋の十兵衛は、義理と人情から、上杉家の家老和田行家を誅殺した澤井股五郎を、九州の相良まで落とす手引きの役目を引き受ける。股五郎の後を追って沼津までやって来た十兵衛は、峠で年老いた貧しい荷物持ち平作と知り合い、彼の家に泊まることになる。そこで十兵衛は、平作が昔分かれた父であり、その娘お米が妹であることに気づく。しかもお米は股五郎を仇討ちの為に追う和田行家の子、志津馬の許嫁であった。出立の朝、十兵衛は寺に石塔を寄進するためとして30両を包んで渡す。このあと平作は十兵衛が実子であり、しかも股五郎の行方を知る人物であると知り、後を追う。親子と知りながら、それを名乗ることが出来ない息子の苦しい胸中が伺える。
ARTIST作家解説
戯画堂芦ゆき
Gigado Ashiyukifl. 1813-1833
文化10年(1813)頃から天保6年(1835)頃まで上方で活躍した浮世絵師。はじめ有楽斎長秀の門人として絵を学び、のちに浅山芦国の門人となった。役者の表情やしぐさなどの大胆な表現に優れた手腕を発揮し、よし国や国広とともに、文政年間(1818−1830)の上方浮世絵の中心を担った。門人に幸国がいる。
同じ作家の作品一覧
INFORMATION作品情報
EXPLORE作品をもっと楽しむ

全国の美術館・博物館・アーカイブ機関を横断したプラットフォームでコンテンツを検索・閲覧でき、マイギャラリー(オンライン展覧会)の作成などができます。