南泉斬猫図 Nansen Cuts the Cat in Two
江戸時代中期(18世紀)/紙本墨画 軸装
116.3×51.3cm
SUMMARY作品解説
主題の「南泉斬猫」は、禅宗の有名な問答を描いたもの。中国唐代の禅僧・南泉普願の門弟たちが猫の仏性(仏の種)で論議対立していたとき、南泉は猫を斬って対立の根を絶つことを教えたが、高弟の趙州に同じく問うと、趙州は草履を頭上にのせて出て行ったので、南泉が「趙州がいたら猫は殺されずにすんだ」と悔やんだ、との故事による。左下に施された落款と印章の欠損の具合から蕭白30歳代前半頃の作と知れる。
ARTIST作家解説
曾我蕭白
Soga Shohaku1730-1781
京都に生まれる。姓は三浦。はじめ高田敬輔に学び、雲谷派にも影響を受けたとされる。室町期の画家曾我蛇足に私淑し曾我姓を名乗る。20代から30代にかけ伊勢および播州(兵庫県近辺)に数度遊歴する。伊勢では朝田寺、旧永島家など多くの障屛画を手がけた。奇矯なデフォルメ、強烈な色彩やあくの強い奔放な筆法を特徴とし、代表作に《群仙図屏風》がある。晩年は京都に身を置き、絵師としての地位を得た。52歳で没。