相模 江戸時代前期(17世紀)/鉄、鍛造
刃長51.6cm、反り1.0cm
SUMMARY作品解説
本作は、鎬造、庵棟、中鋒、鳥居反り、身幅重ねは尋常。板目肌がよく詰んだ鍛えに地沸がつき、刃文は濤乱風の湾たれで匂い深く、地刃共に明るく冴えるなど、綱廣の特徴を顕著に示した一刀である。
ARTIST作家解説
綱廣
Tsunahiro
多くの相州刀は古刀時代の盛況に反し新刀期は甚だ不振で、その要因は北條氏の没落にあり、わずかに北條一族の御用鍛冶だった綱廣・綱家・康國・泰治などが小田原を中心に作刀。綱廣の初代は初銘正廣、相模小田原北條家の刀工として、氏綱より綱の字を賜り綱廣と改銘、小田原鍛冶の祖と成り、以来、新々刀期を経て大正期まで十六代の継承を見る。中でも伊勢大掾綱廣は、古刀期の初代から数えて五代目で新刀綱廣中最も上手な刀工として知られる。万治三年(一六六〇)伊勢大掾を受領、延宝年間に伊勢守に転じている。作風は、小板目肌がよく詰んだ鍛えに、足のよく入った沸・匂いの深い直刃や互の目乱を得意とする。作風が似ていることから中曽祢虎徹の師匠説もある。
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