1905年、パリ/エッチング
SUMMARY作品解説
詩人が詩を生み出そうと思いを巡らせる様子が描かれる。画中の詩人は友人のバンヴィルで、おそらく彼とマネは共通の友人であったシャルル・ボードレールを介して、1860年代半ば頃に知り合ったと見られる。バンヴィルはマネに対してたびたび好意的な批評記事を寄せており、1874年6月にはマネの唯一のカラーリトグラフである《道化役者(ポリシネル)》の下部に記された2行詩を送っている。マネはその御礼としてこのエッチング制作を提案したようだ。詩人の構想の中には、マネが青年時代に目指した海兵の夢と重ね合わせたかのように海に浮かぶ帆船が描き込まれている。
ARTIST作家解説
エドゥアール・マネ
Édouard Manet1832-1883
パリ生まれ。トマ・クチュールの画塾で学ぶ。ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤなどのスペイン絵画のもつ強烈な明暗法や表現力に感化され、新しい表現方法を試みた。1863年のサロンに落選した《草上の昼食》(オルセー美術館蔵)が、いわゆる落選展に出品され、スキャンダルとなり、2年後のサロンに入選した《オランピア》(同館蔵)とともに激しい非難を浴びた。「カフェ・ゲルボワ」での集いを中心にクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールとも交友し、印象派の生みの親と言われる。彼の芸術の本領は人物画にあり、近代生活を新鮮な感覚と明快なタッチで描出するのが得意であった。
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