1905年、パリ(1861年初版)/エッチング
SUMMARY作品解説
本作は1863年と67年に公開された現在消息不明の油彩画と本シリーズの《ジプシーたち》(No.4)に基づいている。原作であったと思われる油彩画は確認できないが、公開された当時、その背景に描かれた「頭をのけぞらせて口の中へ水差しの水を流し込んでいる人物」が賞賛された新聞記事が残っている。また原作の断片であるとの説もある、《水を飲む人》(シカゴ美術研究所蔵)という油彩画作品も現存し、当初、《ジプシーたち》と同様に背景に描かれていた少年のモティーフに対して、マネが強い愛着を抱いていたことが窺える。
ARTIST作家解説
エドゥアール・マネ
Édouard Manet1832-1883
パリ生まれ。トマ・クチュールの画塾で学ぶ。ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤなどのスペイン絵画のもつ強烈な明暗法や表現力に感化され、新しい表現方法を試みた。1863年のサロンに落選した《草上の昼食》(オルセー美術館蔵)が、いわゆる落選展に出品され、スキャンダルとなり、2年後のサロンに入選した《オランピア》(同館蔵)とともに激しい非難を浴びた。「カフェ・ゲルボワ」での集いを中心にクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールとも交友し、印象派の生みの親と言われる。彼の芸術の本領は人物画にあり、近代生活を新鮮な感覚と明快なタッチで描出するのが得意であった。
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