1905年、パリ/エッチング
SUMMARY作品解説
入浴後に身繕いをしようとする女性と背後で準備する従者が描かれている。本作の着想についてはスペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテスの版画《ロス・カプリーチョス:彼女のために祈っている》の影響が取り沙汰されており、であればここで描かれるのは娼婦である。また別の可能性として、1861年にマネが妻シュザンヌをモデルにした《驚くニンフ》(アルゼンチン国立美術館蔵)の影響も指摘したい。同作は元々、《救い出されたモーゼ》と題した大作の一部として描かれ、角度は違うが、身体を布で隠し、こちらを向き驚くニンフの表情や女性のフォルムに本作との共通点を複数確認することができる。
ARTIST作家解説
エドゥアール・マネ
Édouard Manet1832-1883
パリ生まれ。トマ・クチュールの画塾で学ぶ。ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤなどのスペイン絵画のもつ強烈な明暗法や表現力に感化され、新しい表現方法を試みた。1863年のサロンに落選した《草上の昼食》(オルセー美術館蔵)が、いわゆる落選展に出品され、スキャンダルとなり、2年後のサロンに入選した《オランピア》(同館蔵)とともに激しい非難を浴びた。「カフェ・ゲルボワ」での集いを中心にクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールとも交友し、印象派の生みの親と言われる。彼の芸術の本領は人物画にあり、近代生活を新鮮な感覚と明快なタッチで描出するのが得意であった。
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