1905年、パリ(1861年初版)/エッチング
SUMMARY作品解説
本作は1862年の夏から秋にかけて、パリのイポドローム劇場で公演を行ったマドリード王立劇場舞踊団の花形であったローラをモデルにした原作(オルセー美術館蔵)を版刻したもの。原作は舞台袖に立つモデルのドレスの黒と赤のコントラストが鮮やかで異国情緒を醸している。この点について、本作の下部には詩人であり批評家でもあったシャルル・ボードレールによる「ここかしこ美し女の数多はあれば、友よ、焦がるる想いもまた定めなくここかしこ されどローラ・ド・ヴァランスのうちに耀うは バラ色のはたまた黒き宝玉の心おどろかす妖しのちから」との散文詩が付されている。
ARTIST作家解説
エドゥアール・マネ
Édouard Manet1832-1883
パリ生まれ。トマ・クチュールの画塾で学ぶ。ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤなどのスペイン絵画のもつ強烈な明暗法や表現力に感化され、新しい表現方法を試みた。1863年のサロンに落選した《草上の昼食》(オルセー美術館蔵)が、いわゆる落選展に出品され、スキャンダルとなり、2年後のサロンに入選した《オランピア》(同館蔵)とともに激しい非難を浴びた。「カフェ・ゲルボワ」での集いを中心にクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールとも交友し、印象派の生みの親と言われる。彼の芸術の本領は人物画にあり、近代生活を新鮮な感覚と明快なタッチで描出するのが得意であった。
同じ作家の作品一覧
INFORMATION作品情報
EXPLORE作品をもっと楽しむ

全国の美術館・博物館・アーカイブ機関を横断したプラットフォームでコンテンツを検索・閲覧でき、マイギャラリー(オンライン展覧会)の作成などができます。