江戸時代前期-中期(17-18世紀)/木製漆塗
高5.0cm、幅24.8cm、奥行26.3cm
SUMMARY作品解説
本作の全面には蒔絵をはじめ、金属の小片を貼り付ける切金や金属を文様の形に切り抜いて貼り付けた平文などの手法が用いられる。蓋表には四頭の鹿と菊、萩などの秋の草花が配され、その図様は蓋裏から蓋表、身の方へと連続している。本作の意匠は『古今和歌集』に収められた壬生忠岑の和歌「山里は秋こそことにわびしけれ 鹿の鳴く音に目をさましつつ」の歌意を表現したもの。文学的な詩情性と蒔絵による装飾性が融合した典雅な作品といえる。
ARTIST作家解説
五十嵐派
Igarashi School
五十嵐派は、室町時代より続くと伝えられる名門で幸阿弥派と並び称された蒔絵師の流派。江戸時代には加賀藩前田家の御用を勤め、加賀蒔絵の基礎を築いた。ただし、初代五十嵐信斎、2代甫斎ともに生没年不詳で、室町時代の五十嵐派の実態はよくわかっていない。江戸時代の作品には切金や金貝、螺鈿や銀鋲などの精巧な技術が見られ、格調高く上品で精緻な正統派の作風に特色がある。
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