褐釉龍耳水注 Ewer with Handle in Shape of Dradon, Brown Glaze
唐(8世紀)/
高27.5cm、胴径21.5cm、幅23.7cm、底径10.4cm
SUMMARY作品解説
広口で、胴が張り出し、短い注口が付いた水注。この形の水注は、典型的な唐三彩より時代の下った時期、8世紀後半の作と考えられる。しかし素地、釉は唐三彩と同じであり、生産地も河南省鞏義窯と考えられる。唐三彩は8世紀前半でその生産を終えるが、その後実用器としての三彩の製作がおこなわれたとされている。この水注が明器なのか、実用の器なのかは検討の余地がある。
ARTIST作家解説
鞏義窯
Gongyi Ware
隋時代から唐時代の窯。窯跡は、河南省鄭州市鞏義市に所在。2002〜2004年に発掘調査の行われた黄冶窯跡では、隋時代には青磁が中心で、白磁・黄釉も作られた。唐時代には三彩が主体を占めるようになり、三彩の窯跡とともに工房が発見された。三彩の製作工程は、成形→素焼き(高火度焼成)→釉掛け→低火度焼成の2段階焼成でおこなわれていることが解明された。