江戸時代前期(17世紀)/紙本金地着色 屏風装(六曲一双)
166.5×357.8cm(各)
SUMMARY作品解説
「大職冠」は藤原鎌足と竜王の宝珠争奪戦を描いた幸若舞の人気の演題。中国から日本に運ばれる宝珠が竜王に奪われ、鎌足の依頼を受けた海女がそれを取り戻す筋書。冠位十三階の最高位である大職冠を得た唯一の人物であることから、大職冠は鎌足の異名となった。本屏風はこの物語を巧みに構成した優品であることから、現在まで詳細が不明の画家「法橋(山本)元休」を知る重要作品と位置づけられる貴重な屏風である。
ARTIST作家解説
山本元休
Yamamoto GenkyuDate of birth/death unknown
元休については確認されている作品数が極端に少なく、伝記については不明の点が多い。17世紀後半から18世紀初めにかけて京都で活躍か。通称は源兵衛、名を正満と称し、寛文9年(1669)以降に剃髪をして元休と号した。この頃に法橋に叙されたと思われる。狩野永真安信の弟子であったようだ。代表作は《大職冠図屏風》(当館蔵)。迫力のある画面構成かつ細密な描写に優れるが、一方で住吉派風の精妙な歌仙絵なども描いた。