寛政期(1789-1801)/木版多色刷 大判錦絵
30.1×20.6cm
江戸から近代へ─東京富士美術館浮世絵所蔵展
会期:2025年03月29日 (SAT)~2025年05月25日 (SUN)
創価美術館(台湾、高雄)
SUMMARY作品解説
勝川春潮は、肉筆美人画で安永・天明・寛政期(1772-1800) にわたって人気を誇った勝川春章(1726-92) 門下の高弟である。肉筆美人画では、春潮は師風を忠実に継承しているが逆に版画では、師とはライバル関係にあった天明期の浮世絵師・鳥居清長(1664-1729)の画風を追従し、清長様式を熱心に模倣した。そのため春潮の錦絵美人画には、清長風がきわめて色濃く、庶民の間に相当な人気を博したものと想像される。この図も天明期に描いた三枚続の中の一つと考えられるが、余白をあまり残さず人物をおおぶりにとらえる表現は見事である。春潮は、一般に屋外での遊楽風景を大きくとらえる横三枚の続絵を得意としたが、背景をあっさりとまとめ、人物のたおやかな表情や、着衣の瑞々しい描写などに鑑賞者の視線を集中させる手法は、やはり清長がよく行なったもので、女性の優美さを際立たせるのに非常に大きな効果をあげている。
ARTIST作家解説
勝川春潮
Katsukawa ShunchoDate of birth/death unknown, fl. 1781-1801
天明から寛政年間(1781−1801)にかけて活躍した江戸の浮世絵師。勝川春章(1726−1792)の門人。勝川派としてはめずらしく役者絵はあまり描かず、師とライバル関係にあった鳥居清長風の美人画を好んで描いた。晩年は浮世絵界から退き、浮世絵師で狂歌の判者でもあった窪俊満の門下となって狂歌に親しんだ。
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INFORMATION作品情報

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