伯耆 平安時代後期(12世紀)/鉄、鍛造
刃長71.2cm、反り2.8cm
SUMMARY作品解説
本作は、中鋒(ちゅうきっさき)がつまり、腰反(こしぞ)りがつく優雅な太刀姿で、鍛(きた)えは板目に杢目肌(もくめはだ)が交じり地沸(じにえ)つき地景(ちけい)がよく入る。刃文は小乱れに小互(こぐ)の目(め)風の刃が交じり足入(あしい)り、刃縁(はべり)には荒めの沸(にえ)、金筋(きんすじ)・沸筋(にえすじ)・砂流(すなが)し、処々二重刃風に湯走(ゆばし)りや飛焼(とびや)きを交えるなど変化に富む。茎(なかご)は生(う)ぶ在銘である。 現存する有綱在銘の最上作の太刀として昭和28年(1953)、国の重要文化財に指定されている。
ARTIST作家解説
有綱
Aritsuna
山陰地方は、古くから砂鉄の産地として知られ、平安時代には伯耆国(鳥取県)に名工・安綱が現れた。現在にみる湾刀型式の形は安綱の時代に完成されたとされる。平安時代後期には、真守・有綱・康家らの刀工を輩出し、華やかな展開を見せる。有綱は、安綱の孫とも安綱の子、真守の孫とも伝えられる名工で、作風は踏張(ふんば)りあって反(そ)り高く、宝刀然とした太刀姿を示し、銘は「有綱」の二字を古雅な書体で刀銘(かたなめい)にきるのが特徴である。
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