清・康煕年間(1662-1722)/
高22.7cm、口径3.3cm、胴径9.5cm、底径7.3cm
SUMMARY作品解説
上部がやや膨らむ胴部に、細長い口頸部が付く瓶。胴部中程の四方に釉裏紅の団文が配され、裾部に青花による3本の圏線が巡り、その上に釉裏紅で鋸歯文が描かれている。文様は、北宋時代の『宣和博古図』(1588年復刻)にみられる周時代の青銅器「錞(じゅん)」の意匠がルーツ。器形は、打楽器の錞に細長い頸を付け、康煕期に新たに考案。底裏には、ニ重圏線内に2字3行の青花銘。
ARTIST作家解説
景徳鎮窯
Jing-de-zhen Ware
五代時代から今も続く窯。窯跡は、江西省景徳鎮市一帯に分布。五代時代には、青磁・白磁が作られ、長江以南で発見されている最古の白磁窯。北宋時代には、いわゆる青白磁を完成させる。元時代には白磁が主流となる。元時代後期には青花磁器を生み出し、以後中国を代表する窯業地に発展。明時代には「御器廠」と呼ばれる官窯が置かれ、青花磁器とともに本格的な五彩磁器も作られるようになる。清時代には、粉彩磁器が開発された。なお、明時代後期から清時代前期には、民窯で青花磁器(芙蓉手・古染付・祥瑞)、五彩磁器(天啓赤絵・色絵祥瑞)など多種多様な磁器が生産され、ヨーロッパをはじめ各地に輸出された。