明・嘉靖年間(1522-66)/
高44.8cm、胴径40.5cm、底径24.1cm
SUMMARY作品解説
やや丸みを持った胴部に、短く直立する頸部が付く壺。口縁部は玉縁状で、宝珠形の摘みが付く蓋を伴うが、文様は身と手が異なる。五彩は、赤・緑・黄・青・黒など上絵付で文様が描かれ、わが国の「赤絵」もしくは「色絵」に相当。この作品は、身の肩部に蓮弁文、胴部に魚藻文、裾部に蕉葉文が描かれているが、下絵付の青花は一部に限られ、五彩による上絵付が中心。底裏には、3字2行の青花銘。
ARTIST作家解説
景徳鎮窯
Jing-de-zhen Ware
五代時代から今も続く窯。窯跡は、江西省景徳鎮市一帯に分布。五代時代には、青磁・白磁が作られ、長江以南で発見されている最古の白磁窯。北宋時代には、いわゆる青白磁を完成させる。元時代には白磁が主流となる。元時代後期には青花磁器を生み出し、以後中国を代表する窯業地に発展。明時代には「御器廠」と呼ばれる官窯が置かれ、青花磁器とともに本格的な五彩磁器も作られるようになる。清時代には、粉彩磁器が開発された。なお、明時代後期から清時代前期には、民窯で青花磁器(芙蓉手・古染付・祥瑞)、五彩磁器(天啓赤絵・色絵祥瑞)など多種多様な磁器が生産され、ヨーロッパをはじめ各地に輸出された。