明・永楽期(15世紀)/
高43.9cm、口径8.6cm、幅35.3cm、奥行24.6cm、底幅14.5cm、底奥行10.0cm
SUMMARY作品解説
扁平な胴部がわずかに膨らむ、大型の扁壺。頸部は内傾気味に立ち上がり、高台は楕円形。扁壺は、イスラム圏の金属器に範をとった、同地の需要によるもので、1405年に始まる鄭和の南海大遠征に伴って生産が開始されたものであろう。この作品は、頸部に唐草文が配され、胴部に菊などの四季の草花の花卉唐草文が描かれている。口縁部から頸部中程は後補。
ARTIST作家解説
景徳鎮窯
Jing-de-zhen Ware
五代時代から今も続く窯。窯跡は、江西省景徳鎮市一帯に分布。五代時代には、青磁・白磁が作られ、長江以南で発見されている最古の白磁窯。北宋時代には、いわゆる青白磁を完成させる。元時代には白磁が主流となる。元時代後期には青花磁器を生み出し、以後中国を代表する窯業地に発展。明時代には「御器廠」と呼ばれる官窯が置かれ、青花磁器とともに本格的な五彩磁器も作られるようになる。清時代には、粉彩磁器が開発された。なお、明時代後期から清時代前期には、民窯で青花磁器(芙蓉手・古染付・祥瑞)、五彩磁器(天啓赤絵・色絵祥瑞)など多種多様な磁器が生産され、ヨーロッパをはじめ各地に輸出された。