元(14世紀)/
高29.6cm、口径21.5cm、胴径34.8cm、底径19.5cm
SUMMARY作品解説
胴部が大きく張り、頸部が短く直立する酒会壺。口縁には銅の覆輪がかけられている。本来は蓋を伴う。白磁にコバルトを呈色剤とする顔料で文様を施文する青花は、元時代後期の景徳鎮窯で始まる。本作品はこのタイプの壺の典型的な文様配置で、口頸部に波濤文、肩部に牡丹唐草文、胴部に魚藻文、四方襷文を挟んで裾部にラマ式蓮弁文が描かれている。イギリスの陶磁研究者、ハリー・ガーナー卿の旧蔵品。
ARTIST作家解説
景徳鎮窯
Jing-de-zhen Ware
五代時代から今も続く窯。窯跡は、江西省景徳鎮市一帯に分布。五代時代には、青磁・白磁が作られ、長江以南で発見されている最古の白磁窯。北宋時代には、いわゆる青白磁を完成させる。元時代には白磁が主流となる。元時代後期には青花磁器を生み出し、以後中国を代表する窯業地に発展。明時代には「御器廠」と呼ばれる官窯が置かれ、青花磁器とともに本格的な五彩磁器も作られるようになる。清時代には、粉彩磁器が開発された。なお、明時代後期から清時代前期には、民窯で青花磁器(芙蓉手・古染付・祥瑞)、五彩磁器(天啓赤絵・色絵祥瑞)など多種多様な磁器が生産され、ヨーロッパをはじめ各地に輸出された。