北宋(11-12世紀)/
高3.0cm、口径24.2cm、底径12.5cm
SUMMARY作品解説
見込みいっぱいに、ゆったりと大柄な牡丹文を片切り彫りで表し、花弁には、櫛目をつける。外面は無文で、その上に透明釉を施すが、口の先端は釉薬を剥ぎとり、底裏には目跡の痕跡がないため、口を下にして、伏せて焼成したと考えられる。伏せ焼きの窯詰め方法は、景徳鎮窯において、11世紀末から始まり、12世紀後半から増加する。この作品には、無釉の口を補強するため、覆輪と呼ばれる金属製の覆いが付けられている。
ARTIST作家解説
景徳鎮窯
Jing-de-zhen Ware
五代時代から今も続く窯。窯跡は、江西省景徳鎮市一帯に分布。五代時代には、青磁・白磁が作られ、長江以南で発見されている最古の白磁窯。北宋時代には、いわゆる青白磁を完成させる。元時代には白磁が主流となる。元時代後期には青花磁器を生み出し、以後中国を代表する窯業地に発展。明時代には「御器廠」と呼ばれる官窯が置かれ、青花磁器とともに本格的な五彩磁器も作られるようになる。清時代には、粉彩磁器が開発された。なお、明時代後期から清時代前期には、民窯で青花磁器(芙蓉手・古染付・祥瑞)、五彩磁器(天啓赤絵・色絵祥瑞)など多種多様な磁器が生産され、ヨーロッパをはじめ各地に輸出された。