金(12-13世紀)/
高33.6cm、口径15.1cm、胴径14.7cm、底径12.2cm
SUMMARY作品解説
裾が広がった高台を持ち、胴部は膨らみを持つ。長い頸部からラッパ状に開いた口縁に、切り込みを入れて6つの花弁状になった百合口を持つ瓶である。胴部には、素地に白土の線を連続して貼り付け、その上から黒釉を全体に掛けて、白い筋が浮き上がった文様を生み出している。このような文様は「堆白線文」(ついはくせんもん)と呼ばれ、金時代に多用された。百合の花に例えられた百合口は、宋時代以降にみられる形である。
ARTIST作家解説
磁州窯系
A Type of Ci-zhou Ware
五代時代末期から近代の窯。窯跡は、河北省邯鄲市に分布。灰色の胎土に白化粧を施し、透明釉をかけて焼成するのが基本的な技法。文様装飾は白無地、白地掻落、白地黒掻落、白地鉄絵、白地紅緑彩、黒釉、翡翠釉など多彩で、器種も豊富。同種の製品を焼造する窯跡は、河北省、北京市、河南省、安徽省、山西省、山東省、陝西省に広く分布し、磁州窯系と総称。北宋時代には白地掻落が出現し、北宋時代末期には白地黒掻落が盛行。金時代以降は、筆彩で文様を表す白地鉄絵などが主流となる。また、同じ頃に作られた、わが国で「宋赤絵」と呼ばれる白地紅緑彩は、複数色の上絵付による文様表現の嚆矢。
同じ作家の作品一覧
INFORMATION作品情報

2012年9月8日 (土)~11月25日 (日)
中国陶磁名品展 兵庫陶芸美術館(兵庫、篠山市)
2002年10月1日 (火)~12月8日 (日)
白と黒の競演 —中国・磁州窯系陶器の世界— 大阪市立美術館(大阪、大阪市)
1994年10月12日 (水)~11月23日 (水)
中国の陶磁 東京国立博物館(東京、台東区)
1994年7月6日 (水)~8月28日 (日)
東洋陶磁名品展 愛知県陶磁資料館(愛知、瀬戸市)