北宋(11-12世紀)/
高20.3cm、口径4.8cm、胴径11.3cm、幅11.8cm、底径6.8cm
SUMMARY作品解説
丸みをもった胴部を持ち、頸には2本の突帯を付ける。頭部は鳳凰の頭をかたどり、花弁形の鶏冠(とさか)が口となっている。鳳凰の目や眉状の部分は貼り付けで、毛並みなどは片切り彫りを施し、より立体的に仕上がる。前代の隋時代や唐時代にも、鳳凰の飾りがある水注が知られるが、この作品はより時代が進み、すでに把手はなく、細長い注口が付く形に変化している。この種の鳳首水注は、広州省の窯で生産され、とくに東南アジアでの出土例が多いことで知られる。
ARTIST作家解説
広東窯
Guangdong Ware
唐時代から清時代の窯。窯跡は、広東省各地に分布。代表的な窯として、仏山石湾窯(ぶつざんせきわんよう、仏山市)、潮州窯(ちょうしゅうよう、潮州市)、広州西村窯(こうしゅうせいそんよう、広州市)などが知られている。唐時代には粗製の青磁が作られ、北宋時代になると白磁や青みを帯びた白磁である青白磁も作られるようになり、広州や潮州の港から東南アジアを中心とする地域に輸出された。明時代から清時代には、中国各地の窯の倣製品を生産した。