天保5年(1834)/木版多色刷 大判錦絵二枚続の右
38.5×27.0cm
SUMMARY作品解説
春梅斎北英は、上方(現在の京阪地方)の地で活躍し、同時期の柳斎重春(1802-52)と共に上方の庶民に最も人気のあった浮世絵師。本図は、天保5(1834)年に大坂で演じられた歌舞伎『天満宮愛梅桜松』の一場面に取材したもの。夜桜の下、江戸後期の江戸・上方の歌舞伎界を代表する名優三世中村歌右衛門が演ずる長谷雄と、二世中村芝翫演ずる宿禰太郎。暗闇の背景の中で相対した二人の姿は、画面を緊迫感で包んでいる。衣装に見える細やかな文様の表現など、繊細な表現を得意とした上方絵師の本領が見事に発揮された名作である。
ARTIST作家解説
春梅斎北英
Shunbaisai HokueiDate of Birth Unknown; Died 1837
文政11年(1828)頃から天保7年(1836)まで活躍した上方の浮世絵師。北洲の門人。人物描写や描線には、師と同じように葛飾北斎の影響が伺える。華やかで濃厚な色彩によって人物や背景を丹念に描き出す力量は、当時から高く評価され、柳斎重春とともにこの時期の役者絵の中心を担っていた。門人に春寿、北寿、北雪、北信、北西、北妙などがいたが、いずれも寡作絵師であった。
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INFORMATION作品情報

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