17世紀/油彩、カンヴァス
28.2×44.9cm
西洋絵画 ルネサンスから20世紀まで
会期:2024年10月12日 (SAT)~2024年12月22日 (SUN)
東京富士美術館:新館・常設展示室2〜5
SUMMARY作品解説
本作の主題と作者の決定については異論が多い。主題については、ギリシア神話『アエネイス』に登場する、アイネイアスとの恋に破れたカルタゴの女王ディドであるとか、『ポリフィルス狂恋夢』に登場する廃墟のなかに座るポーリア等と推測されているが、描かれた人物像は明らかにフランソワ・ペリエの『Icones et Segmenta』(1645年)の口絵に着想を得たと考えられている。その口絵には、異民族の侵略をうけて破壊されたローマの廃墟のなかで、壊れた円柱に囲まれて横たわるウィクトリア(勝利の女神)に、ミネルヴァ(戦いの女神)が手を差し伸べる場面が描かれている。 本作は、もともとニコラ・プッサン作とされ、のちにウスタッシュ・ル・シュウール作とされた。近年、ピエール・ローゼンベールはジャン・ル・メールの作品の一部であると推測している。本作のプッサン風の様式は、確かに、ル・シュウールの手とは異なるものによることを示している。
ARTIST作家解説
ウスタッシュ・ル・シュウール周辺の画家
Circle of Eustache Le Sueur1616/17-1655