江戸時代中期(18世紀)/鉄、革、絹、漆
SUMMARY作品解説
胴は鉄錆地平山道頭板札を横に矧ぎ、正面縦に鎬を立てた鳩胸としている。左右の胸に手拭掛と采配付の鐶を設けるが、その台座に「井筒に陰桜」紋を彫り、家紋の表示場所としては珍しい。また右脇の引合(ひきあわせ)を、前後共に脇板と長側上二段を別板にして蝶番で繋ぎ、開閉できるようにしているのも特殊な工夫である。捻留(ひねりどめ)の腰革付(こしかわづけ)にする八間五段の草摺は黒漆塗一文字頭の革板札を紺糸で素懸に威す。 や袖の札と威も同様である。 鉄錆地六十二間筋兜の鉢裏に「常州住早乙女家忠」の銘を鐫る。早乙女家忠は遅くとも江戸時代初頭から何代か続いたようである。言うまでもなくこの兜鉢を造った鍜冶であり、具足全体の作者を意味するものではない。 は五段に下し、蝶番で繋いだ吹返には九曜紋を透かす。小具足は鉄錆地目の下頬当、革板札六段の当世広袖、鉄錆地七本篠籠手、鉄錆地小篠佩盾、鉄立挙が付く鉄錆地三枚筒臑当を具備している。
INFORMATION作品情報

2018年1月13日 (土)~2月12日 (月)
鐡華繚乱-ものゝふの美 徳島市立徳島城博物館(徳島、徳島市)
2008年6月19日 (木)~8月24日 (日)
日本美術の名宝展 武士の美 国立美術館(ブラジル、ブラジリア)
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