江戸時代中期(18世紀)/鉄、革、絹、漆、銅
SUMMARY作品解説
胴丸は長側(胴下半部の四段)の小札板を胴に廻らして右脇で引き合わせ、草摺は原則八間に細分する。胴だけの歩兵の甲(よろい)として出発したが、室町時代には兜・大袖を具して武将間にも普及した。本品はそうした三つ物が揃った胴丸を模し、小具足を加えたものである。ただし、本来の杏葉(ぎょうよう)に代えて大鎧の栴檀(せんだん)・鳩尾板(きゅうびのいた)を下げ、全て革小札を用いるように、中世の胴丸とは異なるところもある。中世にはみられない黄色がかった茶糸の威毛はいくつかの呼称があるが、威毛として『曹渓院行状記』などに記す黄唐茶糸威とした。金物は透彫鍍金の梅樹文、絵韋は藻獅子文韋で統一する。 兜は雄大な鍬形を立てた鉄錆地二十間二方白の星兜、鉢裏に『孟子』の一節、(勇士)「不忘喪其元」を朱書し、吹返に家紋と思われる「庵に木瓜」紋の金銅金物を据えている。小具足は目の下頬当と喉輪を併用し、三枚筒籠手、伊予佩盾、三枚筒臑当を具す。
INFORMATION作品情報

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