江戸時代中期(18世紀)/鉄、革、葦、絹、漆、銅
SUMMARY作品解説
中世の大鎧を模し、小具足を加えた江戸時代の復古鎧。大鎧は右脇に独立した脇盾(わいだて)を備え、草摺を四間にし、原則として兜・大袖を伴う。本鎧の胴・大袖は概ね基本構造を踏襲し、各所に高肉透彫した豪華な葉菊の裾金物を打ち連ねる。札は革本小札を用い、威毛は上から白糸・薄紫糸・紫糸の紫裾濃威で、中世軍記にも上層武将の着料として散見する。退色が著しい絵韋(がわ)は茶染の藻獅子韋のようである。籠手は菊に蝶金物で飾ったいわゆる義経籠手(鎌倉時代、春日大社蔵)を模すが、丸龍の臂金(ひじがね)など独自の意匠も用いている。 兜は黒漆塗十六間星兜、前後には通例の鍍銀の地板を伏せて金銅の篠垂(しのだれ)を垂らすが、左右は高肉彫鍍金の這龍の金物を直接打った異形式である。立物は革の鍬形に獅噛(しがみ)と刳半月(くりはんげつ)を添え、三段の は二段を吹返し、小さな金銅高肉彫の乱菊を据えている。頬当は垂のない燕頬と、垂二段の喉輪を備え、他に小袴仕立の伊予佩盾、五枚筒臑当を伴う。
INFORMATION作品情報

2018年1月13日 (土)~2月12日 (月)
鐡華繚乱-ものゝふの美 徳島市立徳島城博物館(徳島、徳島市)
1990年9月26日 (水)~12月9日 (日)
日本美術の名宝展 スウェーデン国立東洋美術館(スウェーデン、ストックホルム)
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