SUMMARY作品解説
19世紀後半、女性を虜にしたジャポニスムの流行を感じさせる衝立を背後にくつろぐ女性。本作のモデル着衣を見る際、この上にドレスを羽織る前の姿であることを言及しなければならない。画家が他に描いた作品の中には本作と同じドット柄のスカートにドレスを羽織った姿で描かれたものも存在する。その上で目に止まるのは鮮やかな黄色と細く締め上げられたウエストであろう。これはコルセット によるもので、バスル・スタイルからアール・ヌーヴォーの影響を受けて流行した「S字カーブスタイル」への過渡期に制作されたものを見られる。胸元やスカートのひだにあしらわれた植物の紋様にもアール・ヌーヴォーの影響を見ることができる。
ARTIST作家解説
ジョルジュ・クロエガート
Georges Croegaert1848-1923
アントワープに生まれる。アントワープ美術アカデミーで学んだ後、1876年、パリに移って以降、パリを拠点とする。1882年から1914年までサロンに定期的に出品。優雅な社会の情景を描いた風俗画や女性の肖像画など、モティーフの細部にわたる細密な描写で評価を得た。肖像画ではジャポニスムやオリエンタリズムに心酔した女性も描いた。小さいサイズの作品も多く残している。カトリック枢機卿を滑稽に描写した作品が人気を呼び、当時のパリではクロエガートの他に同様のテーマを扱う画家もいた。
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