第一部 故宮の后妃たち|第一章 美しいふるまい―まつりごと・たしなみ

孝賢純皇后朝服像(こうけんじゅんこうごうちょうふくぞう)》軸/乾隆帝皇后の肖像
清 [出品No.2A] [A会場のみ出品]

朝服(礼服)を着た孝賢純皇后の肖像。雍正5年(1727)、皇帝の命により15歳で第4皇子・弘暦の正妻となり、弘暦が乾隆帝として即位すると皇后となった。本作は皇后に封ぜられた24 歳の時に描かれたもの。乾隆帝とは互いを尊敬しあい仲の良い夫婦であったと伝えられる。

乾隆帝及妃威弧獲鹿図(けんりゅうていおよびひいこかくろくず)》巻/乾隆帝の鹿狩り図(部分)
清 [出品No.24A] [A会場のみ出品]
御書(ごしょ) 妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)》/乾隆帝が書写した法華経 清・乾隆14年(1749) [出品No.21]
慶寛(けいかん)光緒帝大婚典礼全図(こうちょていたいこんてんれいぜんず)》冊/光緒帝の大婚(皇帝の婚儀)の記録
清 [出品No.11B] [B会場のみ出品]

清代では、紫禁城で大婚の典礼を行った皇帝は、順治、康熙、同治、光緒の4人だけである。本作は、光緒帝の大婚の様子が図とともに記録されており、清代の宮廷儀礼のあり様を今日に伝える貴重な資料である。

慈禧(じき)梅花図(ばいかず)》軸/「西太后御筆」の梅の花の絵 清 [出品No.28A] [A会場のみ出品]

本作は梅の幹を墨を重ねてぼかし、花は赤い濃淡のぼかしで描いている。これは輪郭線を用いない没骨という中国の伝統画法だが、同時に幹は光の効果と立体感の表現に注意しており、西洋の明暗画法の影響も窺える。右上に「寒香独占上林春。光緒甲辰嘉平上浣御筆」の題、中央上に「慈禧皇太后之宝」朱文方印がある。

金亀紐(きんきちゅう)珍妃之印(ちんひのいん)」/珍妃の金印 清・光緒年間 [出品No.9]

珍妃は光緒帝の寵妃で、光緒20年(1894)に妃に封ぜられた。光緒26年(1900)北京で義和団事件が起ると、慈禧皇太后(西太后)は光緒帝と西安に逃がれる前に珍妃を井戸に沈めた。翌年、皇貴妃に追封された。后妃たちが用いた印はその位に応じてデザイン、サイズ、素材などが細かく定められていた。

上記の展示品:北京・故宮博物院蔵