諸葛亮孔明の最期の地となった五丈原を平地から眺めると、なだらかに起伏する丘陵のような形をしています。孔明はこの小高い山の上に陣をかまえ、司馬懿との戦いが長期戦になることから、兵士の食料を調達するために屯田をおこないました。この山の上にあがると、山の上にいることを忘れさせるような広々とした原っぱで、小麦や野菜などが植えられた畑が見渡す限り広がっていました。 私たちはいろんな角度から五丈原をながめ、山の上にある孔明をまつる武侯祠や、孔明の死とともに三宿星が流れ落ちたとされる落星石の碑、当時井戸として使われていたとされる諸葛泉、麓に住む人々の暮らしの様子などを写真におさめました。 孔明は、主君玄徳の亡き後、蜀の国を守るために6度にわたって魏の国を攻める北伐を敢行しましたが、ここ五丈原は孔明最期の地となりました。五丈原に立って孔明の大本営のあった場所や、下をゆるやかにながれる渭水、平原の遥か彼方をながめていると、幾多の英傑たちによって織りなされ、この長大な叙事詩に展開された物語の一つ一つが思い起こされ、ここを吹き抜ける風のように過ぎ去っていくのを感じるのです。
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