故宮のなかの裏通りを歩いていたら、龍の文様の瓦が朝の光を受けて美しく輝いていました。
三国志の調査で故宮を訪れたのは、三国志調査行の終わり頃になってからでした。それというのも、故宮は明代から清朝末にかけて歴代の皇帝が住んだ王宮ですから、1800年前の三国時代の物語やゆかりの品物とは無縁の所と思いこんでいたからです。
故宮には、大小7800もの部屋があると言われていますが、その中の一つ、文物を管理する専門家の方々が仕事をしている事務所を訪れました。外事部の馬さんに、故宮のなかに三国志のゆかりの品物があるかどうか聞いてみました。
すると馬さん。「いままで三国志に関係する文物を調べたことはないのですが、歴代の皇帝も三国志が好きでしたし、故宮のなかでも三国志の劇が行われたことがあるので、きっと何か出てくると思いますよ。早速、それぞれの分野の専門家に集まってもらって、一斉に調査してもらいましょう」と言ってくれました。
その結果、故宮からは明代の皇帝が読んでいたとされる「三国志演義」や、皇帝が孔明を描いた「武侯高臥図」、「張飛像」などの重要な文物がたくさんコレクションされていることがわかり、多くの作品がこの展覧会に出品されることになりました。
歴代の皇帝も一般民衆と同じように三国志の物語に親しんでいたわけですから、故宮には三国志ゆかりの優れた文物が集まってきていたわけですね。
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