「地上の天宮 北京・故宮博物院展」は、故宮博物院と東京富士美術館が1995年に初めて協力して成功をおさめた「故宮博物院名宝展」以来、ふたたび共同で開催する大規模な文物の展覧会であり、両館の間で一致協力して交流と合作を深めた結晶であります。
このたびの展覧会の趣旨は、約200点の精美な文物の展示を通し、封建時代の中国宮廷の后妃たちと子どもたちの生活と精神世界を全体的に反映させることにあります。展示品は、書籍、絵画、金銀器、玉器、七宝器、磁器、漆工、工芸、刺繍等多くの種類を有し、それらは故宮博物院が所蔵する約180万点余の文物より入念に選よりすぐったものであります。展示品は豊富で精美、テーマにも特徴があり、規模も大きく、その多くは初めて出品されるものです。
近代以前の中国において、后妃文化は宮廷文化の重要な構成部分で、物質文化と精神文化の二つの面を持っています。その中の物質文化とは、后妃たちの衣食住と品行を含み、后妃の等級により地位の尊貴さは輝きを放ち、后妃たちが身を置いた時代の最も優れた文化のエッセンスの一つとして、その時代の最高水準を凝縮して反映していると言うことができます。一方、后妃たちの精神文化とは、后妃が参与する
これらの宮中深く収められた精美で貴重な展示品は、これまで中国が育んだ歴史の奥深く、故宮の厳重な後宮生活の歴史の一幕一幕の状況およびその移り変わりを見てきました。このたび、ふたたび皆様方の前に公開するということは、まるで悠久の中国文化の神秘的なベールをめくるようで、時空を超えて神秘な色彩で一杯になった“地上の天宮”──紫禁城に身を置き、後宮生活の尊貴な優雅さ、精緻な派手さ、芸術的な
中国と日本は海と天が相望む、
北京・故宮博物院院長