“三国志人物録（呉）”の最近のブログ記事
孫呉人物伝その６・陸抗
2008年03月05日
陸抗（226〜274年）「呉最後の名将」内紛で衰退する呉の命運を担い、晋の脅威に対抗した陸遜の子。字は幼節。憤死した陸遜の後を継ぎ、寿春に赴いた後、荊州方面の司令官として内政にも注意を払いつつ魏・蜀漢に対する防衛を固める。のち晋の羊とにらみ合うことが多く、陸抗が酒を贈り羊は陸抗に薬を贈るという関係が続き、善政合戦の様相を呈していたが、戦うと陸抗のほうが一枚上手であった。もともと病弱で、防備を怠...
孫呉人物伝その５・諸葛恪
2008年02月27日
諸葛恪（203〜253年）「「北伐」を敢行した孔明の甥」才気あふれる人物だが、クーデターで一族皆殺しに遭うハメに。字は元遜。諸葛瑾の長子。皇太子・孫登の側に仕え、機転が利くことで知られた。後に兵糧統括の文書などはうまく処理できなかったが、丹楊郡での山越などの徴兵には力を発揮した。陸遜が亡くなると大将軍となって荊州の軍事全般を統括し、孫権が亡くなると後事を託された。減税をするなど人気取りに努め北伐に...
孫呉人物伝その４・諸葛瑾
2008年02月25日
諸葛瑾（174〜241年）「謹厳実直な呉の「潤滑油」」誠実さと謹厳実直な人柄で大将軍にまで昇進した孔明の兄だが、実戦は不向きか。字は子瑜。瑯邪郡陽都県の人。孫策が暗殺された頃（200年）、戦乱を避けて長江流域に避難し、弘咨の推挙で孫権に仕える。蜀漢への使者となることもあったが、弟の孔明とは公的な場では会っても私的には会わなかった。華々しい軍功などはなかったが、孫権を諌めるときも強い言葉は使わず、態...
孫呉人物伝その３・朱然
2007年12月04日
朱然（182〜249年）「静かなる呉の柱石」関羽の捕獲や夷陵の戦いにも貢献し、魏軍とも互角に渡り合ったいぶし銀の将軍にして影の功労者。字は義封。丹陽郡故の出身。朱治の姉の子で、13歳の時に朱治の養子となる（もともとは施氏）。ともに勉強したことがある孫権が主になると、19歳で会稽郡余姚県の長となる。219年には関羽討伐に参加して、潘璋とともに関羽の逃げ道を遮断し、潘璋の配下の馬忠が関羽を捕らえるの...
孫呉人物伝その２・陸遜
2007年12月02日
陸遜（183〜245年）「呉の大黒柱」荊州に駐屯し、呉の軍事・政治を一手に引き受けた大黒柱だが、後継者問題の中で憤死。字は伯言。呉郡呉県の人。陸氏は名族である「呉の四姓」の一つ。父の死後、一族の陸康のもとに身を寄せていたが、孫策が陸康を攻めて殺す前に一族を率いて呉に戻った。のちに孫権に仕え、孫権は陸遜に孫策の娘と結婚させ、陸氏と和解し関係を強めた。関羽との荊州での争いでは、呂蒙の代わりに赴任して関...
孫呉人物伝その１・魯粛
2007年11月30日
魯粛（172〜217年）「呉のスーパー・ネゴシエイター」『三国志演義』では諸葛亮に振り回される道化役だが、実際は三国鼎立を作り出した冷徹な外交官。字は子敬。臨淮郡東城県の人。豊かな家に生まれたが、家財を投げ出して有能な人物との交わりを結んだ。袁術から東城県の長に任命されたが、すぐに見切りをつけ、知り合いだった周瑜のところに身を寄せた。周瑜の推薦で孫権に仕えたが、その際に漢王朝に見切りをつけるよう進...