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『お月さまと王女』から「お月さまは、ソフィーのことが」
このたび、東京富士美術館では春の特別展「おとぎの国の魔術師─ワイルドスミス・絵本の世界─おとぎの国のファンタジア」展を開催するはこびとなりました。

現代における絵本作家の最高峰の一人として知られるブライアン・ワイルドスミス──彼は、色彩を華麗にそして自由に操るその作風から「色彩の魔術師」とも呼ばれ、世界中に数多くのファンを持っています。

1930年、イギリスのヨークシャーに生まれたワイルドスミスは、1960年にオックスフォード大学出版局と専属契約を結び、絵本画家としての道を歩み始めます。絵本芸術の伝統を持つイギリスでは、出版・製本や印刷技術のめざましい発展と需要の増加を背景に、「絵本の黄金時代」ともいうべき最盛期を迎えました。ページをめくるたびに広がるイマジネーション。絵本から学ぶ夢や希望、やさしさや慈しみ、正義や勇気。絵本は、これらの人生を歩む上で大切なものを、疑似体験として、読む者の心の中に育んできました。

1962年に出版されたワイルドスミスのデビュー作『ワイルドスミスのABC』は、色彩を想像力豊かに駆使して、絵本の新しい地平を開いた功績により、絵本界の権威ケイト・グリーナウェイ賞を受賞しました。以後今日に至るまでその豊かな想像の泉は枯れることなく、これまでに80タイトルを越える絵本を描き続けています。

ワイルドスミスは、ただ単に絵を描くだけの作家ではありません。“絵画に登場する昔話には我々が住む世界が描かれています。すべてが生きています。動物、鳥、蜂、人間、それに花。どれもが個々の生命を持っています。私はその内なる生命を表現しようとしているのです。”─と語っているように、その創作の根底にある哲学は、17世紀ヨーロッパの教育改革者で最初の子供向けの絵本を著したコメニウスの後継者というにふさわしいもので、子供に対する深い洞察力と慈愛に満ち、彼特有のやさしいヒューマニズムに彩られています。

また人間や動物はもちろん、地球の環境から宇宙にいたるまで、あらゆる生命的存在に対する畏敬の念と愛情が細やかに、そして穏やかに表現されています。それらが天性の色彩感覚と造形感覚と相まって、イマジネーションあふれる豊潤な絵画世界を形づくっているところがワイルドスミスの魅力といえるでしょう。

本展は、画業40周年を迎えた、ワイルドスミスの絵本芸術の全貌を紹介する大規模な回顧展となります。初期の大胆で生命力に富んだ作品から、現在の繊細で宗教性に満ちた作品まで、これまでに描いた全作品の中から厳選した絵本50タイトルの原画約162点のほか、油彩画・ポスターなど、あわせて約180点を、一堂に公開するものです。

【出品点数】
ワイルドスミス全作品の中から厳選した絵本50タイトルから原画約162点のほか、油彩画・ポスターなど、あわせて約180点。

【展示構成】
作品は、ストーリーやキャラクターの性格によって、次の10のコーナーに分類し、「ワイルドスミスから子供たちへのメッセージ」として、分かりやすく展観いたします。

1. ことば 6. ユーモアの国
2. どうぶつ 7. ゆめの国
3. ともだち 8. ぼうけんの国
4. いのち 9. きぼうの国
5. ちえの国 10. 油彩画・ポスター

【特別展示】
東京富士美術館の創立者池田大作SGI会長の創作童話より、ワイルドスミスの原画全点を特別公開。

【会期】
2003年5月1日(木)~6月15日(日)会期中無休

【入場料】
一般 800(700)円
大高生 500(400)円
中小生 200(100)円 毎週土曜日は中小生無料
※( )内は20名以上の団体割引料金
※団体鑑賞をお申し込みの方で、学芸員による団体説明(約20分)をご希望される方は事前のご予約を承ります。ただし、応募多数のためお請けできない場合もございますのでご了承ください。

【主催】
東京富士美術館、「ワイルドスミス・絵本の世界─おとぎの国のファンタジア」展実行委員会、東京新聞社

【後援】
文化庁、ブリティッシュ・カウンシル、八王子市

【特別協力】
ワイルドスミス絵本美術館、オックスフォード大学出版局

【企画協力】
株式会社エム・エ・エム

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(C) 2003 Tokyo Fuji Art Museum. All Rights Reserved. Fantasia From A Fairyland (C) Brian Wildsmith 2003-2004.