第一部 故宮の后妃たち|第二章 楽しみ―宮中の娯楽

画琺瑯長方盆玉蘭盆景(がほうろうちょうほうぼんぎょくらんぼんけい)》/ガラス製ハクモクレン盆栽 清 [出品No.51]

ハクモクレンの白い花びらはガラス製で、花の造形は写実的である。樹下にはガラスの菊やラピスラズリの庭石を添える。ハクモクレンは伝統的な吉祥の花で作例は少なくないが、本作は技巧と構成の点で最も優れる。宝玉による盆栽の永遠のみずみずしさと華やかさ、そして吉祥の寓意は、宮廷文化にとって不可欠な一要素である。

銅鍍金人拉馬鍾(どうときんじんらばしょう)》/ペルシア風天幕つき人馬像からくり時計 イギリス 18世紀(清) [出品No.40]

真珠や宝石をちりばめたペルシア風の天幕の下にはシュロの木があり、馬丁が銀製の駿馬をひく。台座中央の時計の文字盤の左右に楕円形の情景窓がある。ネジを巻くと、窓の中のカーテンが開き、空を飛ぶ龍の姿が回転パノラマで表示される。この精巧に作られた大型の時計は、故宮所蔵のイギリス製時計の名品の一つである。

上記の展示品:北京・故宮博物院蔵