1874年、写真家ナダールのスタジオにおいて、「画家、彫刻家、版画家等、芸術家の共同出資会社」によるグループ展が開催されました。
自然は移ろいやすく、その鮮やかな光景は時とともに過ぎ去っていく。その光と色彩が織りなす束の間の「印象」をカンヴァスに残したい──この若き芸術家の一群は、太陽の光の下での戸外制作を重んじ、感覚を素早く画面にとどめ、明るく生き生きとした技法をもって自然を描きました。
このグループ展が、美術記者・ルイ・ルロワの酷評から「印象派」と命名された芸術家たちによる、第1回印象派展でした。
「印象派」の命名が美術記者であったように、時代を彩る美術の様式は、批評家たちの言葉によって私たちの知るところとなりますが、その批評家たちを代表する存在として文豪と呼ばれた人々がいます。
この展覧会は、東京富士美術館の所蔵する印象派の名品を展示するとともに、その印象派の画家たちと同時代を生き、画家たちに多大な影響を及ぼした文豪たちの存在を紹介し、文豪たちの印象派への眼差しを考察していこうとするものです。
〈 主な出品作品 〉
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海辺の船 1881年 クロード・モネ |
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散歩 1880年頃 エドゥワール・マネ |
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赤い服の女 1892年頃 ピエール=オーギュスト・ルノワール |
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牧草地の牛、ルーヴシエンヌ 1874年 アルフレッド・シスレー |
- カミーユ・ピサロ《春、朝、曇り、エラニー》1900年 油彩、カンヴァス
- 黒田清輝《草つむ女》1892年 油彩、カンヴァス
- など
〈 文豪たちの美術批評の紹介パネル、 現在発刊されている書籍の紹介など 〉
- シャルル・ボードレール
- ジョン・ラスキン
- エミール・ゾラ
- ステファヌ・マラルメ
- ホセ・マルティ
- レフ・トルストイ
- 夏目漱石
- 森
外
- など
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